江頭さんの「株式会社法」
「商法」という法律が、明治39年(1899年)制定以来、大きな体系の組替えと大掛かりの法改正はありませんでした。法改正自体は、何度もありました。
新たな「会社法」として、平成17年(2005年)6月29日第162回国会において成立し、同年7月26日公布されました。そして、本年(平成18年;2006年)5月1日に、「新 会社法」は施行されました。
「商法は、会社関係法が抜け出した形で、残りました。
この改正経緯は、法制審議会(平成絵17年2月)→閣議決定→会社法部会→国会の小委員会などがありました。
立法担当者の実質的リーダーは、学会側は、江頭憲治郎 東京大学教授と法務省側は、相沢哲 法務省大臣官房参事官です。
5月以来、かなり混乱していた実務の現場もようやく落ち着きつつあります。
それを象徴するかのように、9月上旬に、江頭憲治郎著「株式会社法」(有斐閣)が出版されました。
本文893ページ(なぜか縦書き)、979条ある会社法のうち『株式会社』を説述されています。「さあ、何日間で読み通せるか !?」という勝負です。読者にして実務家に与えられた使命なのでしょう。
江頭教授は、その著の「はしがき」で『本書は、会社の法務担当者・法曹実務家など、仕事で会社法に携わる実務家が日常に参照することを主に想定した体系書である』と述べておられます。
まず一読、そして実務における活用が、江頭先生の薫陶をいただこうと志す者の責務でしょう。江頭先生!このような良書を著述・刊行していただき、ありがとうございました。
先般、発刊された相澤哲・葉玉匡美・郡谷大輔の3氏編著による「論点解説 新・会社法」(商事法務)と並んで、この2冊が、実務のバイブルとなるでしょう。
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