movie「赤い月」~原作 なかにし 礼。[5.18.sun.]
なかにし礼の原作~自伝的小説は、2001年出版でした。
森田酒造の満州国での栄枯盛衰を描いた作品です。
また、当時の政府にだまされ、満州に移住した日本国民が、敗戦末期どのような地獄絵をまのあたりにしたか、軍部・関東軍の卑劣さも、あわせて描かれています。
歴史的事実を背景に描いたこの小説に、驚異と感動で、読後、胸を焦がしたことを覚えています。
引揚者の悲惨さと、軍部・政府の『国民を見捨てる』という裏切りには、胸がふさがれる想いです。
もう、7年前です。
この映画化が、2004年にありました。
小説の印象が強く、映画には興味がありませんでした。
たまたま、土曜日(5月17日)に、子どもが「レンタルVDを借りたい」と言うので、家族でレンタルVDショップに行ったとき、偶然、陳列棚にこの映画があり、借りてきました。
土曜日の夜、VDを観させていただきました。
常盤貴子と、伊勢谷友介、香川照之の好演が光ります。
時代背景は、日本が虚構の満州国をでっちあげた末期、昭和19年から終戦後です。
原作の小説を、かなりカットして、映画は創られています。
原作を読んでいないと、映画として一流作品とはいい難いところです。
しかし、出演者の演技は、十分に評価できます。
でも、やはり なかにし礼による超一流の原作(小説)があって、映画も理解できます。
たまたま、今回、偶然もあって映画化された作品を観ることができました。
映画的評価は別論として、それなりに観るに値するする映画です。
080518sun.